遺産分割でもめる典型的なケース7選
遺産分割は、法律上は手続きの一つに過ぎませんが、実際には相続トラブルが最も起きやすい場面です。
当事者同士では冷静な話し合いが難しくなり、長期化するケースも少なくありません。
本記事では、実務でよく見られる遺産分割でもめる典型的なケース7つを紹介し、なぜトラブルになるのかを弁護士の視点で解説します。
目次
遺産分割がもめやすい理由
遺産分割は、単なる財産分配ではなく、これまでの家族関係や感情が大きく影響します。
- 「自分の方が多く貢献してきた」
- 「昔から不公平だった」
- 「今さら平等と言われても納得できない」
このような思いが積み重なり、話し合いが感情論になりやすいのが特徴です。
遺産分割のトラブルは、遺産分割協議の仕組みを十分に理解しないまま話し合いを始めてしまうことが原因となる場合もあります。
遺産分割協議の基本的な考え方については、
[遺産分割協議とは?弁護士がわかりやすく解説] をご覧ください
ケース1:特定の相続人が一方的に話を進める
長男や同居していた相続人が、
「自分が中心になって進めるのが当然」と考え、他の相続人の意見を十分に聞かずに話を進めてしまうケースです。
このような進め方は、他の相続人の不信感を招き、結果的に対立を深めてしまいます。
また、通帳や現金を隠したりして、遺産を使い込まれるケースもあります。
ケース2:不動産しか相続財産がない
相続財産の大半、またはほぼすべてが不動産である場合、遺産分割は特に難しくなります。
- 誰が住み続けるのか
- 売却するのか
- 評価額をどうするのか
これらの点で意見が分かれ、協議がまとまらなくなることが多く見られます。
特に、不動産に居住を希望しない相続人は、金銭を要求(代償金)することになりますが、金銭の支払い原資がない場合には、売却しか選択肢が亡くなることもあります。
ケース3:生前贈与を受けた相続人がいる
被相続人から生前に多額の贈与を受けていた相続人がいる場合、
「すでに多くもらっているのではないか」という不満が生じやすくなります。
生前贈与が遺産分割にどのように影響するのかを正しく整理しないまま話し合いを進めると、深刻な対立につながります。
ケース4:介護の負担を巡る不満がある
被相続人の介護を一部の相続人が担っていた場合、
「自分はこれだけ苦労したのだから多くもらうべきだ」という主張が出ることがあります。
介護の貢献をどう評価するかは難しく、感情的な対立になりやすいポイントです。
ケース5:相続人の一人と連絡が取れない
相続人の中に、長年連絡を取っていない人や、所在不明の人がいる場合、遺産分割協議は簡単には進みません。
相続人全員の参加が原則となるため、連絡が取れないだけで協議が停滞してしまいます。
その場合には、住民票や戸籍の附票から特定した現住所に通知を送ったり、遺産分割調停で解決していくことになります。
ケース6:相続内容を後から知った
すでに話し合いが進んだ後で、
「そんな財産があるとは知らなかった」
「そんな条件だとは聞いていない」
と知るケースもあります。
財産や条件を十分に共有しないまま進めた協議は、後から無効や再協議の問題が生じやすくなります。
ケース7:感情的な対立が激化している
過去の確執や家族関係の悪化により、話し合い自体が成立しないケースも少なくありません。
この段階になると、当事者同士での解決は難しく、第三者の関与が不可欠になります。
もめたまま放置するとどうなるか
遺産分割協議がまとまらない場合、最終的には家庭裁判所での遺産分割調停や審判に進む可能性があります。
調停や審判には、
- 長期間を要する
- 精神的・経済的負担が増える
- 相続人同士の関係が決定的に悪化する
といったリスクがあります。
早めに弁護士へ相談するメリット
遺産分割でもめている場合でも、早い段階で弁護士に相談することで、
- 法的に妥当な解決方針を整理できる
- 感情的な対立を抑えやすくなる
- 不利な条件で合意してしまうリスクを防げる
といったメリットがあります。
遺産分割でお悩みの方へ
遺産分割のトラブルは、「時間が解決する」ことはほとんどありません。
むしろ、放置するほど状況が複雑化する傾向があります。
遺産分割で少しでも不安や対立がある場合は、問題が深刻化する前に、弁護士へご相談ください。
適切なサポートを受けることで、円満な解決につながる可能性があります。
投稿者プロフィール

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法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており依頼者保護のために尽力している。
トレント問題の解決に精通しており、多数の解決実績がある。
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